マッチングの病院の選び方、ハイパーorハイポ、給料?立地?、、ということについて書きます。
私は、20病院以上を見学し、第1志望の病院で初期臨床研修を行いました。
その経験談なども、書いていこうと思います。
見学する病院の絞り方
全国に病院は無限にあります。その中で見学に行く病院をどうやって絞れば良いのでしょうか。
自分が何にモチベーションを感じるか
まず、自分がどのような病院で臨床研修をすることにモチベーションを感じられるか、一番譲れない点を明確にすると良いと思います。
たとえば、
- 給料重視!とにかく稼ぎたい!
- 誰もが羨むブランド病院で働きたい!
- 志望する〇〇科を長い期間ローテーションしたい!
- 〇〇科が強い病院が良い!
- 立地重視!都心が良い!
- 3年目に〇〇大学に入局したいからその関連病院!
などなど。譲れないポイントを探してみましょう。一つに絞れなくてもそのバランスを考えてみましょう。
そして、HOKUTOなど、スクリーニング機能のあるアプリなどで、病院を調べてみると候補が絞れると思います。
病院合同説明会
調べるうちに、気になる病院が複数出てきたら、病院合同説明会に参加すると良いと思います。
オンラインでの開催もあり、気軽に参加できます。
アマゾンギフト券をもらえたり、現地開催ではお土産をもらえたりもするので、息抜きにもなりますよ。
病院見学のポイント
見学で見える側面は一部であり、なかなか病院の印象を掴むのは難しいですが、それでも一度は見学に行ったほうが良いと思います。
研修医の様子
そこで、研修医の様子を見てみましょう。学年によっては、そこで出会った研修医と一緒に働くとは限りませんが、毎年似たような人が採用される傾向があるので、参考にはなります。
上級医と研修医の関係
オーベン(上級医)と研修医が仲良さそうにしているか、も見ると良いと思います。
直の上司とのコミュニケーションを円滑に取れているかにより、だいぶ働きやすさは変わります。
ただ、その日の忙しさや、その場の状況(上級医が近くにいるか)により雰囲気が変わることも多いので、必ずしも参考になるとは限りません。
志望科の上級医に憧れを感じるか
「この人のもとで働きたい」という気持ちはモチベーションを保つにあたり、大切です。
もし将来の希望の診療科が定まっている場合には、その診療科に見学に行き、上級医(部長や医長など)が憧れる対象であるかを判断できると良いと思います。
受験する病院の選び方
行きたいところを受ける
とにかく、人気があるかないかに関わらず、自分が行きたいと思う病院を受験し、上の順位に書くのが良いです。
受かりそうなところを受ける
病院見学の手応えをもとに、自分を採用してくれそうな病院を受ける、というのも手です。
見学でなんとなく「この部長には気に入られた気がする」などの感触を得ることがあります。そういう病院を受けることで、マッチング期のメンタルも安定します。
アンマッチ対策をする
アンマッチになりたくない人は、滑り止めを受けましょう。滑り止めのポイントは、
- 受かりそうなところ(自分の出身大学など)
- 受験の対策が簡単なところ(面接だけのところや筆記が国試の過去問のところなど)
おまけ
最後に個人の主観について述べたいと思います(これまでも主観ばかりでしたが笑)
ハイパーorハイポ
ハイパー病院が良いかハイポ病院が良いか、悩みますよね。私の場合は、ハイパーめの病院を選択しました。
しかし、昨今の「働き方改革」により、昔ほどハイパーではない印象です。また、ハイポ病院を選択した人も自ら律してハイパーにしている人もいました笑
<ハイパー病院>
メリット: とにかく多くの患者さんを診て、長時間現場に触れられることです。特に、将来の自分の診療科以外に関しても、多くを学べるのは有意義。また、多くの仕事をこなすにはオーベンと協力関係が大切であり、仲間意識を持ちやすい。
デメリット: 自分で学習する時間が短い。雑用が多いだけのこともある。
<ハイポ病院>
メリット: 自分で学習する時間が長い。よく考えながら診療に望むことができる。自分で忙しさを調節できる。
デメリット: 学生の臨床実習とほぼ変わらず、臨床現場がよくわからないまま診療科のローテーションが終了してしまうことがある。
私は個人的にはハイパー病院で良かったと思っています。オーベンの先生ととても仲良くなることができ、気軽に質問しやすく、働きやすい環境を構築できたのも大きかったと思います。
また、「働き方改革」の影響もあり、体調を崩すほど仕事ばかりの生活になるということもないです。
給料と立地どちらが大切か
給料と立地、どちらを優先するか、完全に好みですが、これについても主観を書きます。
(ちなみに両方とも優れている病院もありますが、倍率はとても高いです)
私は立地を優先しました。それはハイパー病院であることもあり、時間が大切だからです。遊ぶにしても買い物をするにしても、都心は便利です。移動時間が短くて済むのは非常にありがたいです。
また、初期研修医は2年間であり、その時の給料は後からいくらでも取り返しがつくと思います。それよりも若くてエネルギーのある時間の方が大切であると感じています。(もちろん、お金が沢山必要な事情が有る場合は、お金を優先する必要があると思います)
屋根瓦式教育が良いのか
「うちの病院は屋根瓦式教育体制でおすすめですよ。」
と売り出している病院があると思います。しかし、屋根瓦式教育が本当に良いのか悩ましいですよね。
屋根瓦式教育とは、上級医が少し自分よりも下の医師に教えることを繰り返すものです。つまり、専門医が専攻医に教え、専攻医が研修医に教え、研修医が医学生に教えるというものです。
屋根瓦式教育のメリット
- 気軽に教わりやすい:すぐ上の医師が指導医なので質問しやすいです
- 仕事がスムーズに進む:上の先生を捕まえるのは大変ですが、専攻医はすぐに捕まえられるので、迷ったときにすぐに聞けて仕事が進みやすいです
- 自分も次は教える立場に:人に教えることは、自分の学びも深めます
屋根瓦式教育のデメリット
- より上級の医師に教わる機会が少ない:必然的に専攻医から教わることが多く、知識がそこ止まりになってしまうことがあります
- 直の上司の質に左右される:デキない上級医の下に付いてしまうこともあります
結局、屋根瓦式教育はどうか
屋根瓦式教育には上記のようにメリットがたくさんありますが、より上級の医師と関われないのは大きなデメリットです。
自分から直接上の先生に相談する機会も少ないとなると、仕事に責任を持たなくなる可能性もあります。
したがって、より上級の医師とも気軽に話すことができて、かつ屋根瓦式教育体制である、という良いとこ取りの病院を見つけられると良いのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
色々書きましたが、初期研修先は(住めば都、ではないですが)行った先が良いところになると思います。働けるのは一箇所で、他の病院の実態はわからないですし。
みなさんが体調万全でマッチングに臨まれることを願っています。